三遠南信徹底解剖

見どころ・聞きどころ・体感どころを一挙大公開!

ゲテモノも美味?

その土地ならではのグルメな味わいは旅の楽しみの一つ。三遠南信でぜひ味わってほしい味覚をピックアップ紹介。

【ゲテモノも美味?】

さんえんなんしんは、山・海・川・湖とすべてが揃ったエリア。あちらこちらで珍しい食材やグルメな人も唸らせる逸品に出会うことができます。その土地ならではの美味しさ探求の旅に出掛けてみませんか??

ハチ料理、ザザムシ、おたぐり…

南信州(ときには遠州北部)に出掛けると、名物料理店や居酒屋さん、旅館などで「ハチの子」※1 「ザザムシ」※2 おたぐり」※3などという食べ物にお目にかかることがあります。『ハチの子』は字のごとくですから想像がつくでしょう。その通り、ハチの巣の中にいる幼虫、『ザザムシ』は天竜川に棲むカワゲラやトビゲラなどの幼虫、『おたぐり』は馬の腸の煮込みです。

聞いただけでも「虫を食べるのぉ〜?馬の腸??」と顔をしかめる方も多いかもしれませんが、これらは栄養も豊富で貴重な珍味。この地域ならではの食べ物とも言えるので、できたらお試しいただきたい逸品です。

参考までに筆者個人の感想ですが、ハチの成虫の佃煮などはイナゴの佃煮をもう少しまろやかな歯ごたえにした感じ。ハチの子は味わっていくと、なんとなくアーモンド風味でほんのり甘さが出てきます。ザザムシは見た目も黒くグロテスクなのですが、味わってみると意外に繊細で美味。おたぐりは長〜い馬の腸をたぐりながら洗うところから「おたぐり」と呼ばれるようになったそうで、これは牛のモツ煮込みなどと似た歯ごたえです。

最初に何かを聞いてから食べると、どうしても敬遠してしまうかもしれませんが、知らずに食べれば80%くらいの人は「美味しい!」と思うのでは?と思うのですが…。どうぞ味わった方のご意見を聞かせてくださいね。

ハチの子※1ハチの子

ザザムシ
※2ザザムシ

おたぐり
※3おたぐり
山肉鍋&鹿刺

南信州や北遠に来たら、ぜひ山肉を味わって!鹿刺などは新鮮だからこそ味わえる逸品。

さらに、イノシシや鹿、熊の肉をぐつぐつ煮込み、味噌ダレなどでいただく鍋は、お店により食べ方やタレの味が違うので、それぞれの味わいを楽しむのもお薦め。

「そんな野生動物のお肉なんて、ちょっぴりグロテスク?」と思いきや、これがなかなか上品で美味。 よく煮込むほどお肉が柔らかく味も染み込むので、最後にご飯にたっぷりのせて食べるのが一番贅沢な食べ方かも…、と感じている筆者です。

最近は熊の肉がどんどん減ってきているそうなので、興味のある方は早めに食してみた方が良いかもしれませんよ。※4・5

写真は長野県飯田市南信濃にある山肉料理専門店「星野屋」さんの山肉鍋と鹿刺。児童文学者、椋鳩十氏ご用達だったお店として知られています。動物博士のように山の野生動物に詳しいお店のご主人。動物界のお話を聞くと自然の摂理をしみじみと感じることができます。

山肉鍋写真

鹿刺
※4・5 長野県飯田市南信濃にある山肉料理専門店「星野屋」さんの山肉鍋と鹿刺。
ゆべし

「ゆべし」というと、東北などでは甘いお菓子のようなものが多いそうですが、南信州や北遠などでお目にかかるゆべしは、甘辛く、お菓子というよりおつまみと言った方がピンとくるのでは?

武士の携帯食であったと言われ昔から人々が親しんできた食べ物です。ここでは長野県天龍村坂部「ゆべしの里」のゆべしをご紹介しましょう。

作り方は、柚の中身をくりぬいた中に、味噌胡桃、ごまなどを練り合わせたものを詰めて長時間蒸します。その後3〜4ヶ月手入れをしながら自然乾燥したもので、年に一度しか作れない珍味なのです。食べ方は様々。

黒く丸い形をしたものを薄くスライスしてそのままおつまみやお茶うけにしてみたり、チーズやきゅうりと一緒にクラッカーに乗せて、おしゃれなオードブルにしてみたり、千切りにしたものをおそばやうどんにちょっぴりのせても風味がプラスされて美味。

角切りをほかほかのご飯に混ぜておにぎりにしても最高です。

ぜひお試しあれ。

「ゆべしの里」のゆべし
※天龍村「ゆべしの里」のゆべし。水引細工も地元のお母さんたちの手作りです。

ゆべし
※ゆべしは、一つ一つ丁寧に作られていきます

ゆべしのスライス
※薄くスライスして召し上がれ

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